『ニサッタ、ニサッタ』(著:乃南アサ)を読みました。

主人公が生きていくのに頭が悪くて、でも、自分や近しいひとびとにぽつぽつとあてはまる点が多くて、読んでいて痛々しいことこのうえない話でした。
私や友人知人から、人間としての弱さや、社会的立場の弱さ、ひとりひとつずつ弱い部分を提出して丸めてお団子にしたら、耕平みたいな人ができあがるのではないかなと思います。誰もが耕平に一か所くらいは自分と同じ弱さを見出して、読んでいて苦しくなるのではないでしょうか。

やり直したい、心機一転働きたいと思っても、まともに就職しなおすのが本当に難しい世の中です。
私のまわりにも最初でつまずいて、だけどあきらめずにあがいている人がたくさんいます。
私自身もたまたま専業主婦だから治療に専念なんて悠長なことを言っていられるわけで、そうでなければ耕平以下の社会的弱者であることは間違いありません。

でも、今日を頑張って生きることを繰り返し、ニサッタ、明日への希望が見えてくるラストには救われました。
耕平は故郷、母親と祖母、杏菜の存在で生きる意欲を持てましたし、何も持たない杏菜は自分で大切な人と場所を見つけました。
大事な何かを見つけるのは自分しかいないというのはつらいですが、それさえあれば今日もまた頑張れるのかなと思います。

思い返せば、私も数年前は明日が見えないどん底でしたが、今日を頑張るの繰り返しでなんとかなりました。だから、夫や家族・友人に感謝し、大切にして、今日も今日を頑張っていこうと思います。
改めてそんなことを考えさせられた本でした。

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